マルチプルVLAN
マルチプルVLAN
1. 概要
ひとつのスイッチのポートを複数のグループに分けて、グループ間の通信を遮断できます。ポートを複数のグループに分けるだけでなく、ひとつのポートを複数のグループに参加させることもできます。たとえば、サーバーやルーターなど、すべてのグループと通信を行う必要がある端末が接続されるポートは、すべてのグループに重複して参加させます。
なお、マルチプル VLAN では、異なるグループに所属する場合も同じ IP アドレスが割り当てられます。
マルチプル VLAN を設定できるエージェントと、そのエージェントに設定可能なグループの最大数は以下のとおりです。
対応エージェント |
グループの最大数 |
SWX2200-24G |
24 |
SWX2200-8G |
8 |
SWX2200-8PoE |
8 |
SWX2210-24G |
24 |
SWX2210-16G |
16 |
SWX2210-8G |
8 |
SWX2210P-28G |
28 |
SWX2210P-18G |
18 |
SWX2210P-10G |
10 |
SWX2220-10NT |
10 |
SWX2220-18NT |
18 |
SWX2220-26NT |
26 |
SWX2310P-28GT |
256 |
SWX2310-52GT |
256 |
SWR2311P-10G |
256 |
SWR2310-28GT |
256 |
SWX3100-18GT |
256 |
SWX3200-52GT |
256 |
SWX2320-16MT |
256 |
2. マルチプル VLAN ページの構成
マルチプル VLAN ページは、「ツリービュー」、「マルチプル VLAN の設定ビュー」、「接続機器ビュー」で構成されています。
2.1. ツリービュー
マップページで表示されるものと同一です。
マネージャーを起点としたエージェントのトポロジーが画面左下部に表示されます。他社製ネットワーク機器は表示されません。「ツリービュー」で「機器」アイコンを押すと、「接続機器ビュー」に機器の情報が表示されます。マルチプル VLAN に対応しているエージェントを選択した場合は、「マルチプル VLAN の設定ビュー」に設定が表示されます。
2.2. マルチプル VLAN の設定ビュー
「ツリービュー」で選択したエージェントの、マルチプル VLAN の設定が表示されます。「ツリービュー」で、マルチプル VLAN に対応していないエージェントやマネージャーを選択した場合は表示されません。
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マルチプル VLAN グループ設定一覧
グループごとに、マルチプル VLAN の参加ポートの状態が、表の形式で表示されます。表の横方向はポート、縦方向はグループを表します。
表中の
ポートアイコンを押すと、対応するグループへの、ポートの参加状態を変更できます。参加状態になったポートアイコンは、グループに対応した色に変化します(例:
)。参加状態のポートアイコンを再度押すと、参加していない状態に戻ります。
表の上端の「ポート番号」ボタンを押すと、すべてのグループに対して、そのポートの参加状態を変更できます。表の左端の「グループ番号」ボタンを押すと、そのグループに対して、すべてのポートの参加状態を変更できます。表の左上の「↘」ボタンを押すと、左上から斜めにずらしてポートを選択できます。
表示されていないポートは、どの指定方法でも状態が変更されません。
論理インターフェースに所属するポートは、同じ論理インターフェースに所属するポート同士でまとめて、表の右端に表示されます。また、ポート番号の上部には、論理インターフェースの種別と番号が二段のラベルで表示されます。
上段には論理インターフェースの種別( sa もしくは po )が表示され、下段にインターフェース番号が表示されます。
sa はスタティックリンクアグリゲーションを示し、po は LACP リンクアグリゲーションを示します。
論理インターフェースに所属するポートのグループ参加状態を操作すると、同じ論理インターフェースに所属するすべてのポートに対しても同様の操作が反映されます。
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表示するポート / グループ
バーのつまみを動かすと、画面に表示するポートとグループを変更できます。
上のバーがポートに対応し、下のバーがグループに対応します。
左のつまみを操作することで最小値が変わり、右のつまみを操作することで最大値が変わります。
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縮小して表示
チェックボックスにチェックを入れると、ポートとグループのアイコンが縮小して表示されます。
縮小表示では、ポートのアップリンクおよびダウンリンクの矢印が表示されません。
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「全グループを変更前の状態に戻す」ボタン
マルチプル VLAN に参加するポートを、設定変更前の状態に戻します。
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「確定」ボタン
マルチプル VLAN に参加するポートの設定を反映します。
非表示になっているポートについても設定内容を反映します。
「マルチプルVLAN グループ設定一覧」は、左上の
ボタンを押すことで、表示と非表示を切り替えることができます。
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2.3. また、設定済みのマルチプル VLAN グループごとの設定内容が、「マルチプル VLAN の設定ビュー」下部のスイッチ画像に表示されます。
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グループ選択プルダウンメニュー
メニュー右側の、スイッチ画像に表示するマルチプル VLAN のグループを選択できます。
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スイッチ画像
グループ選択プルダウンメニューで選択中のグループに参加しているポートが表示されます。
2.4. 接続機器ビュー
マップページで表示されるものと同一です。
「ツリービュー」で選択したマネージャー、およびエージェントに接続されている機器が画面右下部に表示されます。「ツリービュー」で無線 APが選択されている場合は表示されません。「LANマップの設定」の「端末管理機能」を有効にしていない場合、端末 ( PC やモバイル機器など )の情報は表示されません。
エージェントとしてスイッチを選択した場合は、どのような機器が、スイッチのどのポートに接続されているか確認できます。接続機器ビューを参考にしながら、マルチプル VLAN のグループを設定できます。
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取得日時
「ツリービュー」で選択したマネージャーおよびエージェントの、接続されている端末の情報を最後に取得した時間が表示されます。「LANマップの設定」の「端末管理機能」を有効にしていない場合、表示されません。
-
ページ選択
端末一覧のページ番号が表示されています。
や
を押したり、数値を入力したりすることでページ遷移します。
-
「取得」ボタン
「ツリービュー」で選択したマネージャーおよびエージェントの、接続されている端末の情報を取得できます。「LANマップの設定」の「端末管理機能」を有効にしていない場合、表示されません。
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リスト
「ツリービュー」で選択したマネージャーおよびエージェントの、接続されている機器の情報がリスト表示されます。また、項目ごとの
ソートスイッチを押すことでリストを並び替えることができます。初期画面ではポート順にソートされています。
VLAN ID の項目には、アクセス VLAN の場合は (A) が、トランク VLAN の場合は (T) が表示されます。
ポートがプライベート VLAN 用ポートとして使用されている場合、VLAN ID は表示されずに (P) が表示されます。
ポートがボイス VLAN 用ポートとして使用されている場合、VLAN ID は表示されずに (V) が表示されます。
3. マルチプル VLAN グループの設定を行う
マルチプル VLAN グループの設定を行うには、まず設定対象のスイッチを「ツリービュー」から選択します。選択すると、「マルチプル VLAN の設定ビュー」内に「マルチプルVLAN グループ設定一覧」が表示されます。
「マルチプルVLAN グループ設定一覧」が表示されたら、グループごとに参加させたいポートを、対応するポートアイコンを押して選択します。設定の際は、下記の TIPS をご参考ください。
参加ポートの選択が終わったら、「確定」ボタンを押すことでスイッチに設定が反映され、設定が完了します。
マルチプル VLAN 設定時の TIPS
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効率的にポートの選択を行いたい
「ポート番号」ボタンや、「↘」ボタンを併用すると、効率的にポートを選択できます。
「ポート番号」ボタンは、特定のポートをその他のすべてのポートと通信を可能にしたい場合に利用できます。たとえば、通常、アップリンクポートは、他のすべてのポート間と通信できるようにする必要があるため、すべてのグループに参加させます。このとき、アップリンクポートの列にある、「ポート番号」ボタンを押すと、グループをひとつひとつ選択する手間が省けます。
また、「↘」ボタンは、各ポートをそれぞれ別のグループに参加させたい場合に利用できます。たとえば、各ダウンリンクポート間の通信をすべて遮断し、アップリンクポート間との通信だけを行いたいとします。このとき、「↘」ボタンと、アップリンクポートの列にある「ポート番号」ボタンを押してください。各グループにアップリンクポートとダウンリンクポートがひとつずつ参加している状態になり、容易に目的を実現できます。この設定は、インターネットマンションタイプのネットワークなどでよく利用されます。 -
設定するポートやグループを制限したい
「表示するポート / グループ」のバーを調整し、必要なポート、グループだけが表示されるようにします。
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設定をやり直したい
「全グループを変更前の状態に戻す」ボタンを押すことで、参加ポートの選択状態を変更前の状態に戻すことができます。
4. マルチプル VLAN グループの設定を確認する
すでに設定済みのマルチプル VLAN グループは、「マルチプル VLANの設定ビュー」下部に表示されているスイッチ画像で確認できます。スイッチ画像の左側のプルダウンメニューから、確認したいグループを選択します。すると、選択したグループに参加しているポートが、グループに対応した色に変化します。
ここに表示される設定内容は、「確定」ボタンを押して、実際にスイッチに反映した設定内容です。現在「マルチプルVLAN グループ設定一覧」で編集中の内容は表示には反映されません。