端末監視
端末監視
1. 機能概要
端末監視機能は、ネットワークスイッチに接続されている特定の端末の死活監視を行います。
端末監視機能の概要について、以下に示します。
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端末監視 機能概要
L2MSマネージャー:L3スイッチ, L2MSエージェント:インテリ L2 PoE スイッチの例
死活監視の方法としては、以下の 3種類 を提供します。
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Pingによる疎通監視
IPアドレスを保持する端末に対して定期的に Ping (ICMP Echo request/reply) を実行し、応答が無くなった場合にダウンと判定します。
Ping 応答待ち時間・ダウン判定までの失敗回数は、ユーザーが設定することができます。 -
フレーム受信量監視
ポート単位で定期的にフレーム受信量を確認し、指定した流量を下回った場合にダウンと判断します。
監視開始閾値とダウン判定閾値はユーザーが設定することができます。
流量が監視開始閾値を上回った時点で監視が開始され、ダウン判定閾値を下回った時点でダウンとなります。 -
LLDP受信間隔監視
ポート単位で定期的に受信するLLDPを監視します。
LLDP パケットのデータ部必須項目であるTTLを利用し、TTL 間 LLDP の受信がなければダウンと判断します。
監視により、端末異常 (ダウン) を検出した場合、 自動で 以下の処理を行います。
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ダッシュボード画面でのアラート表示
ダッシュボードの警告画面に監視端末で異常が発生 (ダウン) したことを表示します。 -
LAN マップ画面でのアラート表示
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端末監視を行っているスイッチが L2MS マネージャーの場合
LAN マップの通知および履歴情報として、監視端末で異常が発生 (ダウン) したことを表示します。 -
端末監視を行っているスイッチが L2MS エージェントの場合
L2MS の トラップ機能 を使用して、L2MSマネージャーに通知します。
通知を受信した L2MSマネージャーは、LAN マップ画面で監視端末で異常が発生 (ダウン) したことを表示します。
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また、 ユーザーの選択 により、並行して以下の動作を実施可能とします。
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メールによる異常検出通知
任意の宛先に監視端末で異常が発生したことを通知します。 -
SNMP マネージャへの通知
コマンドにより設定したSNMPマネージャへ Trap を送信します。 -
PoE 給電の一時停止による端末再起動
PoE 給電しているポートでダウンを検出した場合、PoE 給電を一時的に OFF 状態にして監視端末の復旧を試みます。
2. 用語の定義
特になし
3. 機能詳細
3.1. Ping (ICMP Echo request / reply) による監視
Ping による端末監視の仕様について、以下に示す。
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ネットワークスイッチからの ICMP Echo request の送信周期は 5sec 固定とします。
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送信する ICMP Echo request は、以下のフォーマットとします。
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ICMP ヘッダの ID フィールドには、 監視端末ごとに割り振られるユニークなID を設定します。
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ICMP ヘッダの シーケンスフィールドには、0からシーケンシャルにインクリメントした数値を設定します。
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ICMP Echo reply の正常性は、以下で確認をします。
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ICMP ヘッダの ID フィールドに request 送信時に設定した ID が設定されているか
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ICMP ヘッダの シーケンスフィールドに request 送信時に設定した シーケンス番号 が設定されているか
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ICMP Echo reply の待ち時間は、 1 ~ 60sec で変更可能で、デフォルト 2sec とします。
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監視端末からの ICMP Echo reply を受信できずに異常と判断するまでの回数は、 1 ~ 100 で設定可能で、デフォルト 2回 とします。
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Ping による監視は、 最大で64台まで 可能とします。
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メール通知や SNMP Trap の送信が有効になっている場合、以下の条件で送信します。
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端末のダウンを検出したとき (ダウン中も24時間毎に送信)
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端末のアップを検出したとき (監視開始時と復旧時)
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3.2. フレーム受信量による監視
本装置におけるフレーム受信量の監視方法について、以下に示します。
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1sec 周期でポートの受信オクテット数を参照し、1秒間の受信オクテット数を計算します。
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全ポート観測対象 とします。
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1秒間の受信オクテット数とリンクスピードを使用して、 受信スループット (bps) と 受信率 (%) を計算します。
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フレーム受信量による監視は、 ユーザが設定した監視開始しきい値 (bps) を超えた時点で始まります。
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監視開始後、 ユーザが設定したダウン検出しきい値 (bps) を下回った場合に異常が発生 (ダウンした) と判断します。
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メール通知や SNMP Trap の送信が有効になっている場合、以下の条件で送信します。
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端末のダウンを検出したとき
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端末のアップを検出したとき (監視開始時と復旧時)
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3.3. LLDP による監視
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LLDP フレームのデータ部必須項目である TTL を利用し、TTL 時間の間、LLDP の受信がなければダウンと判定します。
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LLDP フレームを初めて受信した時点で監視がスタートします。
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本監視は、ポート毎に設定することが可能です。
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メール通知や SNMP Trap の送信が有効になっている場合、以下の条件で送信します。
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端末のダウンを検出したとき
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端末のアップを検出したとき (監視開始時と復旧時)
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端末が LLDP 機能を停止したとき
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4. 関連コマンド
本機能は、コマンドでの設定に対応していません。
5. Web GUI による設定
端末監視の設定は、Web GUI の [詳細設定] - [端末監視] から行うことができます。
各画面の設定方法については、Web GUI のヘルプより参照することができます。
5.1. 端末監視 トップページ
端末監視のトップページを以下に示します。
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監視したい端末を新規に追加したい場合は、 新規 アイコンを押下してください。
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設定中の監視端末を変更したい場合は、表の 設定 ボタンを押下してください。
設定中の監視端末を削除したい場合は、該当端末の チェックボックス を選択し、 削除 ボタンを押下してください。 -
設定中の監視端末の現在の状況を把握したい場合は、 更新 ボタンを押し、最新の状態を取得してください。
5.2. 監視端末の新規追加・変更
端末監視の新規追加・変更画面を 監視種別ごとに 以下に示します。
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Ping による疎通監視
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フレーム受信量監視
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LLDP 受信間隔監視
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PoE 給電に対応したモデルのみ、 PoE 給電制御による端末再起動 を指定することが可能です 。
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フレーム受信量監視で、監視開始しきい値、ダウン検出しきい値を決める際は、トラフィック観測機能を活用ください。
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異常時の処置として、メールを通知する場合には、別途 メール通知設定 が必要です。
詳細は、技術資料: [保守・運用機能] - [メール通知]、Web GUI ヘルプ: [管理] - [メール通知]を参照ください。
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5.3. 監視端末の状態確認
設定した監視端末の状態は、ダッシュボードの端末監視ガジェットにて確認することができます。
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監視端末ごとに監視対象、機器名、監視種別、状態が表示されます。
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監視端末の状態としては、以下の3つを表示します。
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Idle : 監視がまだ行われていない状態 :
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Up : 監視端末が正しく動作している状態 :
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Down : 監視端末が正しく動作していない状態 :
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状態欄にマウスカーソルを重ねると、監視端末の状態が表示されます。
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ダッシュボード上部の Idle 、 Up 、 Down ボタンをクリックすると、各状態の監視端末のみが表示されます。( All ボタンはすべての状態)
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監視端末が1つも登録されていない時は「監視端末が登録されていません」と表示されます。
6. 注意事項
特になし